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不動産賃貸契約を簡単に。

久しぶりのnote。
簡単に言えばサボっていたのですが、いい加減重い腰を上げます。

最近、コロナが一定程度落ち着いてきたからか、海外渡航がスタックしていた状況が改善し、海外駐在に飛び立っていく知人の姿をよく見ます。仲の良い知人が遠くへ行くのが寂しくなるのは常ですが、Zoom等のソフトウェアサービスが発達しすぎた状況を思い浮かべると遠くに行くように思えず悲しい気持ちになりません。これもAfterコロナの常識なのかと思ったりします。

思いつきで引っ越しすることに

そんな私ですが、ちょうど1年前に引っ越しました。
海外への赴任などという大それたものではなく、約1km圏内での引っ越しであり、すごく簡素なものです。

というのも、bitFlyer Blockchainには近距離手当という制度があり、この制度を使って六本木にあるオフィス(東京ミッドタウン)の近くに住んでいる社員が多いのですが、私も近所に住んでいます。
そもそも私は不動産が好きで、気に入った家に住んでいても、時間があれば新しい物件を探すのが趣味の1つです。

ある日曜日の午後、たまたまふらっと入った不動産賃貸仲介会社の営業マンに前のめりな営業攻勢*を掛けられたのですが、近場の不動産情報を常にリサーチしている私の触手がすぐ伸びるぐらい良い物件を紹介され、その場で物件を決めてしまうという事件があったのです。
物件の場所、間取り、家賃等がどれも絶妙だったことはもちろんなのですが、ここに絶妙な営業マンのセールストークが加わり、仲介会社の店舗に入って引っ越しを決めるまでで約2時間程度でした。

* この方、社会人になり営業をある程度長くやっていますが、久しぶりに伝説の営業と呼んでも良いかなと思う人に出会いました。別の機会に彼とのトークをスクリプトにしたいぐらいです。

キャプチャ1

オフィスはミッドタウンです。近隣に住むと非常に便利で良いですよ!

契約手続き時の苦痛


素晴らしい物件と絶妙なトークが相まって、スムーズに物件を確定するところまではいったのですが、この後始まる契約手続きは苦痛の連続でした。

まず、物件を申込みます。
物件申込には賃貸申込書への個人情報の記入が必要であり、かつ本人確認書類のコピーをメールに添付して仲介会社へ送る必要がありました。
人気物件であったこともあり「早く申し込まないと物件が埋まってしまうかもしれない」と思い、賃貸申込書を日中のオフィスで急いでプリントアウトし、手書きで必要項目を記入しました。
賃貸申込書をよく見ると、押印が必要な書類であったため、会社では手続きが完結しないことに気づきました。自宅へ帰り、朱肉を使い捺印。免許証の表裏をiPhoneで撮影してメール添付で送りました。

数日後、審査通過の連絡がきます。
「通過して良かった!」と思いながら仲介会社の方の説明を電話越しに聞いていると、どうやら契約手続きを進めるには再度来店が必要とのこと。
「えええ、行かないといけないんかい。そもそもまあまあ忙しいんだから平日は店舗に行く暇ないわ。かといって週末はトライアスロンの練習もあるし嫌だわ。伝説の営業マンはいい人だけど、圧が強めなのでまた対面で話すの面倒だな。土日に行きたくないな。」と思ったのを強く覚えています。

と言いつつ、引っ越しのための必要手続きなので、予定の調整をし仲介会社を訪問し契約手続きを行うことに。
個人情報の扱いに関する説明、賃貸契約の重要事項の説明 (物件概要、契約内容詳細、家賃の支払いなどについての説明) を受け・・・、最終的に待っていたのはすべての紙への署名・押印作業。

キャプチャ


なんと、賃貸契約書、重要事項説明書、東京都の紛争防止条例の説明書、個人情報提供の同意書、家賃保証会社への申込書、駐輪場の利用書という膨大な数の書類があり、それぞれ本紙と写がありました。(物によっては仲介会社の控えも)

これらの書類全てに手書きで個人情報を記入しないといけません。書類への必要項目の記入後、目の前に大きな朱肉が置かれ、全ての書類へとハンコを押す手続きへと進みました。ハンコを押す回数をカウントしたのですが、なんと16回も朱肉にハンコをついて紙へと押印することに。なんなんだこの作業は・・・。

更に、苦痛の賃貸契約が完了した後、電気、水道、ガス、インターネットの会社に連絡し、送られてきた申込書 or Webサイト等から新しい住所を記入する必要がありました。転出届けを引越し前の区役所で入手し、転入届を引越し後の区役所に提出し、その後郵便局に住所変更届を出すなどの行政手続きも必要です。(今回は運良く同一区内の引越しだったためこれらの行政手続きは簡素でしたが)

もちろん、この後に普段利用している金融機関、ECサイトなどへも同様の住所変更手続きを継続することになります。とにかく、近場で軽い気持ちで決定した引越しではあったが、引越しというイベントに伴う多くの作業はすごく大変だったことを記憶しています。

不動産賃貸市場の全体像と課題

さて、少し角度を変えて不動産賃貸の市場の全体像とはどうなっているのでしょうか。
国土交通省のレポートによると、賃貸物件数は約1,900万戸。年間の契約数は約200万件です。

グラフ

※国土交通省:平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計より作成

キャプチャ2

※矢野経済研究所:2019年版 不動産仲介市場の将来展望と事業戦略より作成

分母が1,900万戸で、年間200万戸なので単純に平均すると9~10年に1回の引越しするという規模のイメージでしょうか。

また、借主仲介会社は国内で4.8万社、貸主仲介会社は4.1万社、管理会社は5万社です*。(貸主仲介と管理会社を兼業している会社は多いので重複していると思います)
* 国土交通省:賃貸住宅管理業者登録制度の現状参照


仲介会社、管理会社共に中小・零細企業が多くを占めており、紙やFAXでの業務で長年業務が行われているのでしょう。申込、内見、審査、重要事項説明、契約、家賃保証、保険契約という複数プロセスに、オーナー、管理会社、仲介、保証会社、保険会社、入居者と複数プレイヤーが介在するため、全体を俯瞰した効率化を行うことが難しいことは想像するに難く有りません。

スマート契約で不動産契約を簡単に。

先日、住友商事さんとbitFlyer Blockchain共同でプレスリリースをしました。

日経新聞切り抜き加工

2020年10月28日の日経新聞朝刊より

スマート契約は現在プレ商用サービスとして運営していますが、主に以下の3点を提供します。

スマート契約

1. 借主向け:スマホアプリ
借主が使うモバイルアプリを提供します。
借主は物件の申込から賃貸契約の締結だけではなく、更に電力やガス、通信などのライフライン契約、引越し業者の手配といった転居手続全般までもスマホのみで完結できます。煩雑な書類手続きやハンコは不要です。
2. 管理会社・仲介会社向け:契約管理機能
管理会社、仲介会社が使う契約管理を提供します。
管理会社・仲介会社は、借主の不動産賃貸契約の申込状況などのステータスをリアルタイムで把握することができるようになります。また、手続きが全て電子化されるため、膨大な紙の契約書の管理が不要になり、契約書作成の手間や管理コストを削減できます。 
3. 賃貸保証会社、損害保険会社、ライフライン契約会社、引越し会社向け:データ連携機能
不動産契約に関連して登場する各種サービスを提供する会社が使うデータ連携機能を提供します。
賃貸契約時に行われる本人確認審査の後、借主が、本人確認済の個人情報の提供を承諾した場合、電力やガスなどの各種契約の申込時に、認証された本人確認済の個人情報が連携されます。
そのため、各種契約手続きの際に、これまで必要であった借主の本人確認手続きが不要になり、各種契約手続きが効率化されるためサービス継続率が高くなる見込みです。

簡単にまとめると、以下が各者のメリットですね。

・借主:スマホのみで賃貸契約から各種ライフライン契約等ができる
・管理・仲介:賃貸契約が電子化され紙・ハンコが不要になる
・連携会社:サービス加入率が向上する

借主の立場で見たときには、私が経験したような大量の契約書にハンコを押し、その後の契約のために何度も個人情報を書くような作業がなくなるのです。すごい!

ブロックチェーン"miyabi"を使ったプラットフォーム

なぜスマート契約にブロックチェーンを使うのでしょうか?まず、ブロックチェーンには五大利点があります。

1. 改ざん耐性
ハッシュチェーン構造によってデータの書き換えが不可能であること
2. 高可用性
データが分散保持されており、一部のノードが停止しても動き続けること
3. ビザンチン障害耐性
悪意のあるノードが存在しても正しくデータが処理できること
4. 疎結合の容易さ
公開鍵暗号によってシステムの結合が容易であること
5. エンタープライズ向き
複数の企業間でのデータ共有が容易なこと

スマート契約のサービスにおいては、この五大利点のうち、1. 改ざん耐性と5. エンタープライズ向きであるという点が特に活きています。

「1. 改ざん耐性」
仲介会社が対面で行った借主の本人確認手続きや、賃貸契約に関わる各種契約書の記録などがブロックチェーンへ登録されます。
ブロックチェーンへ登録されたデータは構造的に書き換えが不可能な状態になるため、契約当事者が賃貸契約に関わる各種契約書を改ざん、捏造することができなくなります。
契約書を電子化する際に、その契約書が改ざんされないことを担保することは極めて重要な要素の1つであると思っています。

「5. エンタープライズ向き」
ブロックチェーンには暗号学的に信頼できるデータが書き込まれ、利用する企業はこのデータを参照することになるため、企業間でのデータの不整合がおきません。
また、複数の企業が同一のデータを参照し、データを書き込むことができるため、多くの企業が参加するプラットフォームでの利用に強みを発揮します。
スマート契約では既に25社に参加表明をしていただいていますが、今後更に利用者を増やしていく予定です。将来展望も踏まえて考えると、ブロックチェーンを利用する意義が更に大きくなりますよね。

個人主権型IDソリューション"bPassport"の利用

更に、スマート契約の手続きで生じる個人情報の管理および企業・サービス間連携に関して、個人主権型のブロックチェーンIDソリューション「bPassport」を使います。

利用者本人が「bPassport」に保存した氏名、生年月日、性別および住所などの個人情報に対して、本人確認済であることのお墨付きを企業や公共機関といった第三者からもらうことで、さまざまなサービス登録時における本人確認手続きが不要になります。
自らの意志で個人情報を管理・提供できるため、本人が把握していない間に自身の個人情報を他の企業に提供されることはなく、不動産契約やライフライン契約などの手続きが安心してできるようになるのです。 

bPassportの詳細説明についてはまた別の機会に!

そして未来へ

スマート契約は「住」のプラットフォームを目指しています。

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現在は不動産賃貸契約とこれに関連するライフライン契約をスコープとしていますが、不動産分譲・売買分野への進出も視野に入れています。「住む」という行動を中心にし、複数のサービスとの連携も検討できます。
将来的に多くの利用者が参加できるプラットフォームへの展開を想定していますが、これはブロックチェーンを利用することでしか実現しないサービスであると思っています。

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bitFlyer Blockchainで事業開発に携わる。ブロックチェーンで変わる未来を想像し日々ワクワク。 趣味はトライアスロン、サッカー、フットサル、トレイルラン、キャンプ、登山。アウトドア派、直感派、肉体派。

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