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YouTubeに飽きたら本を読んでみるのもよいかも

小学校、中学校、高校、大学が足下の諸事情で休みになっています。学校での時間というのは大人になってからは取り戻せないし悲しい思いをしている人も多いでしょう。このnoteはそういう人たちに向けて書きます。

今はNetflixもYoutubeもあるので、家にいても退屈しないのかもしれませんが、YouTubeに飽きたらちょっと本を読んでみることをおすすめします。

わたしももう結構長いこと生きているので、超貧乏な浪人生として京都でひとりで暮らしたり、大学でサークルとか合コンとかの謎なものに遭遇したり、就職したら仕事がキャパオーバーで寝れなかったり、全然案件がとれなくて思い詰めたり、突然働いている業界がブームになりテレビに出るようになり(以下略)、、、などそれなりにしんどいことも経験してきているのですが、基本的には常に元気です。
これはわたしが小さいときから本を多めに読んでるからかなと思っています。しんどいことがあったりめちゃくちゃ反省や後悔することがあっても、あ、この本にこう書いてあったな、とか本の○○がこう言ってたなとか、あの人はこんなこともしてたな、とか思うと元気になるのです。
文字が出来てから6000年(かな?)の間に突出した賢い人が知見を書き続けたものが本として纏まっているので、たいていのことは6000年の間に考えられて答えが出ている、または相似形で解かれているのです、とわたしには思えます。

本を読むことは武器や薬草を集めることに似ています。
わたしが10代の時に読んで武器や薬草的に大事にしている本と、当時はなかったけどタイムスリップして渡してあげたい本(一部マンガ)を以下にまとめます。学校が休みで、NetflixにもYouTubeにも飽きてしまったらぜひ読んでみてください。なお、Netflixも超面白いですよね、わたしはNarcosが好きです。

①サピエンス全史、ホモデウス

ホモ・サピエンスという動物にすぎない人間がどうして他の動物と一線を画し、地球を牛耳ることになったか、というのがサピエンス全史、そしてこの流れのまま進んでいくとどうなるか、というのがホモデウス(超ざっくり)。
人間様中心の考え方って科学的じゃないな、と思えるようになります。今の10代の人はこれが読めてうらやましいです。

②国家はなぜ衰退するのか

世の中に貧富の差があるのはなんでだろう、というのは子どもの頃からよく不思議に思うテーマだと思いますが、この本はこのテーマに対する考察として優れていると思います。(本としては事例が多すぎてちょっと長いです)
そして世の中で「ガバナンス」について重視されている理由が数々の事例とともに納得できます。

③ソフィーの世界

これは10才くらいの時に読みましたが、私は誰?だったり世界はどこから来たの?だったりの疑問に対して、カントだったりヘーゲルだったりキルケゴールだったりのおじさんたちがすでにめちゃくちゃしかめ面で考えまくっている、という事実自体に勇気付けられたのを覚えています。この人たちの思索のあとから始められてラッキー、という気持ちになれます。

④坂の上の雲

日本人は着物じゃなくて洋服を着てて、国別GDPが3位ですが、日本の人口は世界10位で島国で1868年まで江戸時代だったわけで、どうして今のような国の形になったのかな、というのがよくわかる史実に基づく物語です。司馬遼太郎の文章は読みにくいので(トルストイと司馬遼太郎は文章に突然作者の主観が入りますよね)、NHKのドラマが超名作なので本に挫折されたらそちらでも!

⑤銀河英雄伝説

帝国主義の銀河帝国と共和主義の人々が建国した自由惑星同盟の戦いを描く史実に基づかない未来の物語です。作者の田中芳樹さんは中国の歴史に詳しく、恐らく数多くの史実を咀嚼した上でこれを書いています。共和主義と帝国主義のいいところとダメなところ、あるべきリーダー像、戦略と戦術など多くのことが学べます。(ちなみにアニメも名作です。本が長すぎたらそちらもおすすめです)

⑥アドルフに告ぐ

実際に起こった第二次世界大戦をもとにした(創作部分も大きいですが)物語。マンガです。どの登場人物も悪人としては描かれておらず心情も理解できるので「戦争」というもので人はこんなに変わってしまうんだな、というのが実感できます。

⑦遅いインターネット

これは最近読みました。子どものときから満員電車に乗っているおじさんが違う生き物のように見え、父親から大人は全員サラリーマンになるんだよ、と言われ恐怖を感じていたのですが、この本の昭和の日本の社会構造の説明によって、彼らの気持ちが分かったような気がし、そして彼らに対する尊敬の念が生まれました。近代日本批評としてよい本だと思います。

⑧宇宙創生

サイモン・シンは暗号解読、フェルマーの最終定理もおすすめですが、宇宙創生では人間が科学を使って世界を観測し理論を発展させてきた歴史が学べます。もともとは人間の主観に基づく宇宙論が信じられていたものの、観測によってどんどん「地球がこの環境で人間が生存していること」がただの偶然であり宇宙の歴史からするとどうでもいいことがわかってきます。この過程がとてもわくわくします。

⑨モオツァルト・無常ということ

個人的には中2病のバイブルです。大人になってもこんなに中2っぽくてもいいいんだ!と勇気づけられます。日本語もとても美しく読んでいると心が豊かになります。

⑩21世紀の貨幣論

今わたしたちの生きている世界はおおむね資本主義なので、「お金、資本」については様々な意味で知識があった方が生きやすいと思います。この分野は色んな本がありますが、今のわたしが10代の自分にすすめるならこれかなと思います。あとは映画のマネー・ショートとウルフ・オブ・ウォールストリートを見てほしいです。お金を扱う人は性悪説をとらないといけないんじゃないか、というのを考えさせられます。
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いろんな本を読むことの弊害として、なにがあっても超相対的に客観的になってしまい(地球の歴史に比べればささいなこと...とか所詮生物としてセルフィッシュジーンのなせる業...など)あまり感情を持てなくなる、ということがあります。
しかし、今わたしたちが生きているのは人類の選択の結果として、民主主義的資本主義社会で、職業は高度に専門化しています。なので、宇宙からしたら、人類の歴史からしたらとるにたならないことかもしれないけど、自分が得意で好きなことを見つけて、その分野のことをミクロ的に必死になって勉強して細かくなることも必要だと思います。銀河系のサイズからするとどうでもいいことだけど債券トレーダーは0.1bpsに命を掛けて日々戦っています。

また、わたしが今働いている仮想通貨(5月から暗号資産)、ブロックチェーンは2008年に生まれたのですが美しく詩的で10年後どうなっているかわからない(byジャック・ドーシー)とても面白い世界です。この分野に関するおすすめ本は以前noteにまとめていますのでこちらもぜひどうぞ。

※もしこの分野に興味をもってくれたら、いや、もってなくてもいいけど、ぜひメールなり何なりでご連絡ください。

繰り返しになりますが、上記①−⑩を読んでも鬼速でPDCAが回せるようになったり、財務三表の連携が理解できたり、マウスを触らないでエクセルが使えるようになったり、バーゼル3の内容が理解できたりはしません。
でも色んな勉強や仕事をがんばる上で、人間や世界に対する理解があった方が心が平穏になるし、しんどい時にも支えてくれるのはこういう本なのかなと思います。

では、この後学校が再開して元どおりになるのか、はたまたこのままの生活が続くのか現時点ではわからないですが、気が向いたら本を読みつつ心を平穏に元気に過ごしてください。

この時代が後々書かれる本の中でどのように評論されるかも楽しみですね。

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