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政府債務は完済すべきか?

政府債務は完済しなくて良い

私は政府債務をいつか完済しなければいけないとは考えておりません。企業の有利子負債と同様です。これは財務レバレッジとして最適な負債と資本のレシオが選択されるべきであると考えています。 他方で、政府には負債はありますが、資本がありません。私は徴税権がエクイティーだと考えています。

ただ、徴税権の時価評価は非常に難しいと思います。税率を変える権利自体を政府がもっており、国民に強制できます。 それは企業の株式発行とは異なります。

そして政府債務を完済する必要がない理由に、国富として土地、道路や橋などのインフラ等の資産が存在します。 税務署のみならず裁判所や警察等の行政システムといった見えない無形資産である政府資産も評価されるべきでしょう。 無形資産には、日本の文化も含まれるでしょう。

外国人観光客が来日することで収益を生むことができます。 仮にすべての時価を計算できる魔法の方程式があれば、有形無形の資産と国債を始めとする政府負債及び徴税権がBSに乗ってるはずです。 その時価評価が難しいので、政府負債の健全性は企業会計のように評価できません。

際限なく国債を発行してはいけない

政府債務を完済しなくて良いとは思いますが、際限なく国債を発行しても良いとは考えておりません。 PBと政府債務の関係が発散していると市場が評価したら、国債は売られます。金利が上がりインフレになり、いつか(自国通貨建て国債であったとしても)戦略的にデフォルトを選択するかもしれません。

なぜなら、ハイパーインフレよりもデフォルトの方がましだからです。それは政府債務を一部免除する(債務の削減)、公務員を減らす(PB改善)等で経済に対するインパクトがある程度コントロールが可能だからです。

もちろんデフォルトは良いことではありません。ただ政府はデフォルト宣言する権利を持っています。 国民の生活にとって、ハイパーインフレ、大幅な円安が良いのか、デフォルトが良いのかを比較検討するはずです。

日本銀行には市中銀行のような資本の概念がない

そうならないためにも、適度な新規国債発行とPB改善等の努力を含めた財政規律を守るべきであると考えています。 ところで、日銀の国債を時価評価することで債務超過であるのが問題であるという主張は一理ありますが、財政規律の一つの目安でしかないと考えています。

理由としては、中央銀行には市中銀行のような資本の概念がないからです。日銀は出資証券を発行していますが、増資できるのでしょうか?増資するとどのようなスキームでしょうか? 日銀の利益は国庫におさめているので利益剰余金として資本を厚くすることができません。

財政規律の新しいルールが必要

私は政府・日銀の財政規律について国民に新しいルールを提示することが重要だと考えています。 中央銀行にもバーゼル規制のようなものを導入するが、金融政策を大幅に制限しないものが良いかと考えています。 そのバランスがどのようなものが良いのかは分かっていません。

クリエイティブな金融政策が自由に発揮できないのは問題でしょう。 一方で中銀のBSについて、そして財政ファイナンスについてのルールは、民間金融機関との比較であまりにも曖昧です。

このような曖昧なルールを、今よりもう少しでも明確にすることで国民は安心できるのではないでしょうか? ある程度透明なルールを導入することで国債価格の安定化に寄与するかもしれません。

政府債務や税収の議論に正解も終わりもないと思いますが、私が現時点で考えていることを明確に致します。



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